アジア

マレー半島きたみなみ その4

香港に隣接する中国の深センは、蠟小平の「改革開放」の掛け声によってほとんどゼロから作られた街で、きれいに縦へ横へと整備された道路、中心部にそびえ立つ高層ビル群と、郊外に広がる画一的な団地や工場に、ゲームの「シムシティ」で作ったような感じを…

マレー半島きたみなみ その3

午後11時、ようやく着いたタンピンの駅で僕が何をしたかというと、湿ったTシャツやらトランクスやらハーフパンツを取り出し、ベンチに干すことだった。これには説明がいる。 旅先では観光名所を制覇しようとあれこれ詰め込んでしまうものだが、灼熱の太陽…

マレー半島きたみなみ その2

その晩はガイドブック曰く「車で1時間ほど離れた」タンピンという街の駅から、夜行列車に乗らねばならない。港町は闇に包まれ時刻は午後8時。まずは町外れにある長距離バスターミナルまで17番の市バスで戻らねばならないのだが、バス停が存在しないので…

マレー半島きたみなみ その1

もうすぐ引退してしまう旧型スカイライナーで上野に戻ってきて、銀座線に乗り換えるとゾッとした。みんな同じような顔をしていて、気持ち悪い。もちろん僕だって典型的な大和民族顔だし、一日もすれば慣れたのだが、マレーシアやシンガポールのような多民族…

サイゴン日記 写真編

サイゴン日記 その3

熱帯の夜は、なんでこんなに楽しいのだろう。 オープンカフェで生ぬるい夜風に身をさらしながら通りを眺める。共産国と思えないようなケバケバしいネオンが遠く輝いている。 わずかなバス路線以外に公共交通の存在しないサイゴンには、「ベトナム・バイク共…

サイゴン日記 その2

感心している場合ではない。迷惑だし不便なので、現地人に化けてみることにした。 日本から白い半袖シャツにGパンとスニーカーという出で立ちで到着したのだが、どうやら熱帯でその格好は目立つらしい。というわけでぼったくりで名高いベンタイン市場に出向…

サイゴン日記 その1

サイゴン滞在初日は、とにかく声をかけられた。 午前8時半、9月23日公園付近。43歳のバイク乗り。「1時間5ドルで案内する。中華街のチョロンまで行ってみないか?」と日記帳らしきモノを取り出し、日本人観光客の書いた「この人は信頼できる」という…

ソウルの補習問題 第三問

ソウル都心から少し南に行った上道という住宅街に「COMIC COZZLE」というコミック専門店ができ、そこに日本の出版関係者なら名を知らぬ人のない元大阪J書店のNさんが店長として赴任したと業界紙で知り、尋ねてみた。アポも取らず突然訪れた、し…

ソウルの補習問題 第二問

その国が進んでいるかどうかをはかる目安は、道を安全に歩けるかだと思う。 上海は最悪だった。歩道を自転車やバイクが爆走するし、交差点では盛大な信号無視が繰り広げられる。台北はそれよりマシだが、イナゴの大群のようなバイク連に気をつけないとひき殺…

ソウルの補習問題 第一問

ソウルの繁華街・明洞のすぐそばに、南山という小高い丘がある。そこに立つ「Nソウル・タワー」からの夜景がきれいと評判だ。バカと煙は何とやらで、高いところの大好きな僕はさっそく行ってみた。 このタワーは3年前にリニューアルされたそうで、現代的な…