太田光

 NTV系の「爆笑問題のススメ」は、毎回ゲストに作家を呼んで話を聞くという番組だ。昨晩の最終回では、芸人としては異質な読書家かつ作家である太田光が「自分を変えた本」について語っていた。

「高校のころ友達が全くいなかった。だから本の世界に逃げ込んでいた」
 と語る太田さんがあげたのは、太宰治の『晩年』やサリンジャーの『フラニーとゾーイ』、カート・ヴォネガットタイタンの妖女』である。
「人間は醜いし滑稽だし、大したもんじゃない。それでも生きてていいんだよ、と教えてくれた。」
 なぜ本を読むのかと聞かれて
「本を読んだときに、人それぞれいろんな解釈ができる。その違いが自分というものだとわかるから」

 前々から太田さんとは通じるものがあるとは思っていた。それはもちろん芸の才能とかではなく、かつて通ってきた孤独といま持つ人間への見方だが、これではっきりした。
 生きるために本が必要なんだ。多少つかえながらも(マジメな話になると太田さんの話は不器用になる)自分のことばでそれを語った太田さんに拍手を送りたい。と同時に、本を生み出す会社にいることの有難みと誇りを確認して、3年目の春を迎えたいと思います。(あ、ちなみに僕の異動はありません。引き続き日本一高い営業マンとして書店さんのお邪魔をします。)
 月曜日は新入社員の入社式だ。