2007-01-01から1年間の記事一覧

書店はショールームか、セレクトショップか。(キャピタリストの視点)

http://blogs.itmedia.co.jp/tsuji/2007/10/post_18f8.html 面白い本との偶然の出会いは、本当に楽しいものです。その出会いを演出するのが、書店主の目利きなのですが、目利きをせずに全量仕入れとなると、単なる陳列としてのショールーム化してしまいます…

出版営業の存在の耐えられない軽さ

あるチェーン本部に立ち寄った帰り、下北沢を通りがかったので、業界内で有名なヴィレッジ・ヴァンガード下北沢店を一度のぞいておこうと思った。それから井の頭線で渋谷に出て、かつての旭屋跡地にオープンしたブックファースト文化村通り店を訪ねた。 どち…

日本推理作家協会60年 作家と遊ぼう!MYSTERY COLLEGE

http://www.mystery.or.jp/mystery_college/ 僕はミステリーのいい読者とはいえないが、それでもこれほどビッグネームが集まってイベントをやるなら、とチケットを購入した。作家だって売れない本をバカスカ出すより、こういう読者と直接購入するイベントを…

音楽CD:「交換サイト」ピンチ アマゾン撤退で激震、写真やデータ提供を中止

http://mainichi.jp/enta/music/news/20071020dde041200037000c.html 「日本レコード協会」(港区)によると、06年のCD生産額は約3445億円で97年の約6割。CDレンタル店や有料音楽配信の台頭で厳しい業界の意向が働いたと指摘する声もある。 た…

「減築」は生き方、考え方の転換です

http://www.asahi.com/housing/amano/TKY200710060181.html 私は増改築ではなく「住改善」と称し、やみくもに増築し、広げるだけではなく、むしろ増築を重ねて、閉塞した家の一部を取り去り、「減築」することで中庭などをつくり、風や光を通すことを提案し…

帰ってきた「悪用厳禁」――「ネトラン」復活

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/19/news040.html 雑誌「ネットランナー」はネット関連のマニアックな情報を載せていた月刊誌。もともとソフトバンクから発行されていたが、先ごろ休刊した。その残党が新しい会社を立ち上げて、雑誌を復活させ…

斜め45度の出版ニュース解説

こんばんは。滝川なんとなくクリスタルです。 なーんてアホなこといってる場合ではなく、さいきん出版関連で気になった記事をピックアップします。

語るに足る、ささやかな人生

丸ノ内線で泣いている子を見かけた。 台風のため1時間遅れた飛行機で羽田に着き、リムジンバスで新宿西口へ。着替えの入った大きなカバンとビジネスバッグを抱えて地下鉄のホームにたどり着くと、長蛇の列。しまった、もう金曜の0時過ぎだったと気づいたが…

間違いだらけの上海案内 その4

上海の観光スポットははっきり言ってつまらない。外灘(バンド)なんて建物を眺めるくらいしかやることがないし、明朝の庭園である豫園にしても観光客が多すぎてくつろぎとはほど遠い。繁華街の南京路は地方のお上り買い物客でごった返しているし、新天地で…

間違いだらけの上海案内 その3

共産党といえば、六本木ヒルズのような流行スポットである新天地のすぐそばに、毛沢東率いる中国共産党第一回大会の開かれた建物があって、いまは記念館としていろいろ展示されているのだが、客がいない。ここは共産党支配の国じゃないの? 党員にとっては聖…

間違いだらけの上海案内 その2

それでもぶつかってしまったら怒鳴り合いになるのだろうが、日本人が戦いを挑むのは無謀かも知れない。まず声がでかい。そして早口である。交渉では一歩も引かない。 上海では女が強く、男が弱いという。実際、道ばたでケンカするカップルを二例みたが、女性…

間違いだらけの上海案内 その1

夏に上海の街中を歩くなら、頭の上に気をつけた方がいい。 ぽたっと水が落ちてきて、雨かと思って見上げると、エアコンの室外機がむき出しの状態で取りつけてある。日本なら排水のパイプをつなぐのだろうが、上海人にそんな上品なことをする気はないらしい。…

誰にも頼まれていないのに上海ブックガイド

というわけで、上海ブックガイドの続きです。 こんなに読んでえらいなー、と誰も褒めてくれないので自讃してみる。上海・ミッシェルの口紅―林京子中国小説集 (講談社文芸文庫)作者: 林京子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/01メディア: 文庫この商品を含…

なぜか上海

上海。 中国のほかの都市のように王朝の都としての歴史をもたず、19世紀後半から猛烈な発展を遂げた若い都市。 イギリス、フランス、アメリカ、日本などが租界という名の半占領地をもち、「中国のなかの外国」といわれた国際都市。 複雑な中国の近現代史に…

完璧な小説

白楼夢―海峡植民地にて (創元推理文庫)作者: 多島斗志之出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/05メディア: 文庫購入: 1人 この商品を含むブログ (15件) を見る 大正8年、一人の日本人青年が息苦しい国内の生活に別れを告げ、シンガポールに流れ着いた。…

思えば福岡へ来たもんだ 博多

博多−−− サラリーマンを対象にした「転勤したい町」「出張したい町」調査では、札幌や仙台と並んで必ず上位に入る都市なのだが、じゃあ町で何をしたいのかと聞かれても、たとえば札幌の時計台のような観光スポットが浮かんでこない。仕方ないので、駅前から…

思えば福岡へ来たもんだ 下関

ホテルの車で門司港駅まで送ってもらい、そのまま電車に乗ってもいいのだが、目の前に関門海峡を渡るフェリーが泊まっているので、下関に立ち寄ることにした。 船に乗るときは海風を受けるのが好きなので、よっぽど天気が悪くない限りは甲板に立っている(と…

思えば福岡へ来たもんだ 門司港

渡船に乗って戸畑に戻り、今度は九州の果て・門司港に向かう。かつて九州各地から大阪や東京、あるいは大陸をめざす人々が集った港町である。今や関門海峡にはトンネルやら橋やらが作られ、昔日の役割を果たすことはなくなってしまったが、貿易会社や税関の…

思えば福岡へ来たもんだ 若松

電車に乗って戸畑に向かう。駅から十分ほど歩くと、赤い鉄骨で組まれた大きな橋が空高くそびえている。戸畑と若松を結ぶ若戸大橋(有料道路)で、歩道がないためにその足下に小さなフェリー乗り場がある。北九州市営の若戸渡船で、100人乗ったら大丈夫で…

思えば福岡へ来たもんだ 小倉

羽田7時40分発のスターフライヤー43便は、ところどころ貨物船の浮かぶ周防灘上空で高度を下げ、このままでは海に突っ込むぞと思ったら手をさしのべるように真新しい滑走路が現れ、9時30分新北九州空港に着陸した。朝の東京は雨が降り始めたばかりだ…

恋って苦しいんだよね

今日はいつにもまして、恥ずかしいことを書きます。恋って苦しいんだよね作者: 永沢光雄出版社/メーカー: リトルモア発売日: 2007/01/26メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (16件) を見る この本には26編の小説が収められている。1編あ…

若者じゃない皆さんの人間力を高めるための国民運動

某日、二日酔いでフラフラしながら、それでも営業に行こうとけなげに(どこが?)地下鉄の飯田橋駅を歩いていたら、一枚のポスターが目にとまった。 若者の人間力を高めるための国民運動 その時は気持ち悪かったので、「あ〜翌日アポを入れたのに飲み過ぎて…

思い立って信濃路紀行 後編

天国のような位置の姨捨駅から電車は下界に戻り、9時45分篠ノ井駅着。ホームで乗り換えの電車を待っていると、フェンスの後ろを新幹線が突風とともに通過していく。高架橋を走っているときはそれほど感じないが、間近で見ると新幹線は狂ったようなスピー…

思い立って信濃路紀行 中編

関東、なかでも千葉の出身者は、山を知らない。南の半島部分にわずかに起伏があるとはいえ、一番高くてせいぜい標高408メートルの愛宕山である。一方、僕の育った八千代というところ(森昌子の歌った「八千代ふるさと音頭」というすてきな踊りで有名です…

思い立って信濃路紀行 前編

中央本線、松本行き最終のあずさ号は新宿を21時に出るので、ダラダラ残業をせずに会社を19時ごろ出れば、いったん中野の自宅に戻って着替えてからでも間に合う。 時間通り発車し、新宿の高層ビル群を左窓に見ながら駅弁の山菜弁当をパクついていると、思…

金沢城のヒキガエル

先週は東北地方へ出張。「あゆみブックス仙台店」と盛岡「さわや書店」の二店は平積み、棚ともセンスが抜群で、営業に行くのが楽しくて仕方ない。その日の仕事を終え、日報をまとめて一休みしてから、コートを着て客としてどかどかまとめ買いをしてきたので…