間違いだらけの上海案内 その1

 夏に上海の街中を歩くなら、頭の上に気をつけた方がいい。
 ぽたっと水が落ちてきて、雨かと思って見上げると、エアコンの室外機がむき出しの状態で取りつけてある。日本なら排水のパイプをつなぐのだろうが、上海人にそんな上品なことをする気はないらしい。陽が出ていないとはいえ最高気温35度、湿度80%というすてきな気候なので、エアコンが大活躍。したがって街中ではあっちでポタポタこっちでポタポタ、シャンハイーポッターと相成るわけだ。
 古いビルの壁際をみると、一つの窓に一つの室外機といった割合で並んでいるのは壮観である。建物が古すぎてセントラルヒーティングの仕様がないのだろう。
 といって見上げてばかりいると、突っ込んでくるバイクや自転車にひかれるのがオチなので、この場合地面を眺めて濡れているところを避けるのが賢明である。
 中国人の交通マナーの悪さ、というより交通マナーという概念がないのだと思うけど、狭い道路なら左折車はほぼ100%信号などあってなきがごとき勢いで曲がってくる。車もバイクも自転車も歩行者も、赤信号でも行けそうなら青信号にみえるらしいので、のんきにガイドブックなど見ながら歩くのは自殺行為である。郷に入れば郷に従えで、赤信号だろうが周りの人を盾にしながら渡るのがいい。それでも車が突っ込んできたら、こっちも強引に手を振って止めてしまおう。相手も交通事故は面倒だろうから。

室外機に気をつけろ! 濡れても害はないんだろうけど…