2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

満州まぼろし旅行 その4

長春(新京)は満州国の首都だったこともあって、関連の建物も多い。日本の国会議事堂に似た旧国務院が、看板は出ているのに入り口に瓦礫が積んであってどうやら改築工事中だったのは中国的ご愛敬(予告なしの休業や移転はよくあることです)として、軍事部…

満州まぼろし旅行 その3

中国でいらないもの大賞をしたら、かなり上位に食い込むのが、ロータリー型交差点だろう。ヨーロッパには多いが、日本では見かけないし、中国でも北京や上海にはあまりなかった(その代わり立体交差が多い)ように思う。 ところが満州の開発にあたって、近代…

満州まぼろし旅行 その2

中国の鉄道員のサービスには定評がある。 今年の正月北京駅でのこと。ずらり数十並んだ窓口に列車番号と行き先を書いて渡すと、一人目のおばちゃんは紙も見ずに投げ返す、二人目は紙を見て差し戻し、三人目は紙を見てパソコンを叩いて「没有=ないよ」、四人…

満州まぼろし旅行 その1

僕ら日本人にはクラシックホテルへのあこがれがある。 御茶ノ水の山の上ホテルや日光の金谷ホテルなど、建物は若干古びているもののそれも時代を経た気品と思えば魅力的で、スタッフのサービスは往年と変わらず超一流。宿泊客にもそれなりの品格が求められる…

続・ヨーロッパ胃弱日記 その3

ベルリン都心から郊外電車で二十分ほど、世界陸上が終わって、祭りのあとといった感じのオリンピック・スタジアムを観に行った。ヒトラーが威信をかけた1936年五輪にあわせて造られた会場であり、その時の様子は沢木耕太郎の『オリンピア』(集英社文庫…

続・ヨーロッパ胃弱日記 その2

一方、チェコのプラハは、歴史を静かに積み重ねたような街だ。建物は同じような高さの石造り、屋根がレンガ色に統一されているので、誰かが一気に造りあげてそのまま残されたように錯覚してしまうが、見る人が見れば時代ごとの流行の様式が反映されているら…

続・ヨーロッパ胃弱日記 その1

ベルリンは都市圏人口500万人、ヨーロッパ有数の大都市である。だが、フランクフルトで乗り換えて1時間ほどのフライトで着いたベルリン・テーゲル空港は、ずいぶん小じんまりしていた。大きな空港では到着してからえんえん歩かされてやっと荷物のピック…