休み中に読んだ本

マネー・ボール (RHブックス・プラス)危機の宰相誘拐 (ちくま文庫)白洲次郎 占領を背負った男
マネー・ボールマイケル・ルイス著 ランダムハウス講談社文庫
 文庫化を機に再読。大リーグの貧乏球団が、革命的なデータの分析方法を用いることで選手の起用・採用方法を一新し、ヤンキース始め有名球団に立ち向かっていくドキュメンタリー。どうしたって勘や非科学的分析に頼る野球業界を出版業界に重ね合わせてしまう。金が有り余っている大手版元と違って、うちのような弱小版元は頭を使わなければならないのに…「従来の固定観念を打ち壊せば、いままでよりはるかに効率よく物事を進められる」評価★★★★★

「危機の宰相」沢木耕太郎著 魁星出版
 「所得倍増」は何となくできたものではなく、三人の男が作ったものだった! 60年安保の騒乱から高度経済成長へ向かう時代の転換点で、先を見ながら日本の舵を取った池田勇人らの人生と理想を追う。「『高度成長論』の持っている『激しさ』は、『官僚』の『安定』を第一とする本性にとって、どうしても受け入れがたいものだった」しかし、なぜ三人は所得倍増を成し遂げることができたのか?★★★☆☆

「誘拐」本田靖春著 ちくま文庫
 東京オリンピックを翌年に控えた1963年に起きた吉展ちゃん誘拐殺害事件。高度成長の裏で、貧困にあえぐ東北の農村出身の男がなぜ犯罪に手を染めなくてはならなかったのか。そして迷宮入りしかかったこの事件を、刑事たちはどう追いかけていったのか。歴史書よりリアルで推理小説より緻密な傑作ノンフィクション!★★★★☆

白洲次郎 占領を背負った男」北康利 講談社
 敗戦を迎え、去勢されたような日本人の中で、ひとり占領軍に立ち向かった男がいた。神戸の名家に生まれ、抜群の行動力・交渉力・情報力を持ちながら、国のため無私無欲に闘った白洲次郎の傑作評伝。なんとスケールの大きな人間がいたものか。★★★★☆

 以上、一日一冊を目標にしたはずが現実は遙か及ばず。修行が全然足りません_| ̄|○