明日は明日の風が吹く

風と共に去りぬ [DVD]

風と共に去りぬ [DVD]

 早稲田松竹へ「風と共に去りぬ」のニューマスター版を見に行く。せっかちな自分は、映画なんてテンポよく90分で終わる位がちょうどいい、と思っていたけどこの作品に関しては例外。第一部は冒頭でアメリカ南部における上流階級の生活が描かれたあと、南北戦争の開戦から敗戦にかけて、豊かな暮らしが急激に奪われ壊され失われていく様に息をのむ。そして全てがなくなったあとで、主人公のスカーレットが何とか生き延び、鮮烈な夕焼けをバックにやり直そうと誓うときの映像と音楽の美しさ。
 第二部ではそうした社会的背景がなくなり、情熱的で意志が強くてわがままなスカーレットに、どうしようもなく振り回されるレットにもっぱら感情移入。外野には優しくて素直なメラニーの方が人気なのかもしれないけど、僕は自分をバンバン押し出していく活発で気の強い女性が好き(メラニーと一緒にいたら自分が悪人で惨めで情けなく思えて仕方ねぇ)なので、堪えに耐え忍びに忍び待ちに待つレットの気持ちがよくわかる。レットが最後に出て行ってしまうのは意外だが、半年もすればまたスカーレットの元に戻ってくるだろう。
http://www.theatres.co.jp/kazeto-tomoni/

 東西線西船橋まで往復して一息ついた後、池袋演芸場の夜席に参上。柳家権太楼は今イチ、鈴々舎馬るこ柳家三三がなかなか。トリは古今亭志ん輔の「幾代餅」、似たような話の「紺屋高尾」は聞いたことがあったが、志ん輔演じる主人公清蔵のマジメぶりが見事で、ガンバレよ!と声をかけたくなった。遊び人の藪医者が志ん輔に諭す「遊ぶときに小さな金を何度も使おうとするのは下の下だ。ここぞという時に大きな金をバーンと使わなきゃいけねえ」まったくその通り。
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