愛にめざめて

 休日だというのに7時45分に目覚めてしまった。このまま朝飯を作って顔を洗ってスーツを着て出かければ、ちょうど9時(定時の30分前)に会社に着く。誰も行かないってヽ( ´ー`)ノ

 要領はわるいし愛想はないし、仕事ではダメダメづくしの僕だが、唯一のとりえは「朝に強い」ことだ。(血圧が高すぎるだけというハナシも…)高校時代は5時45分起きで平気だったし、いまも仕事のたまった時は8時前に出社して片づけている。

 そのかわり7時間睡眠と30分の昼寝は必須だ。昼の2時過ぎに皇居前広場あたりで昼寝している僕をみかけてもそっとしておいて下さい。

愛の空間 (角川選書)

愛の空間 (角川選書)

 そんな皇居前広場でアウトドアセックスをしたらエセ右翼に刺されかねないが、終戦直後はそれが普通だったとときあかすこの本。戦前は野原や公園でのまぐわいが当たり前で、北海道では雪の中コトをいたすカップルもいたとか。ぜったい風邪ひくって。
 一方くろうととやる時は屋内でやるものだったという対比もあったり、文学史料をもとにした時代による性交場所のうつりかわりは勉強になる。「連れ込み旅館」って男が女を連れ込むものだと思っていたのに、できた当初は「くろうと女が男を連れ込む」ものだったとは…目から鱗が10枚くらい落ちました。現代は性が乱れているなんていい方をする評論家がいるけど、実はどんな時代も変わらないよな。

 とはいえこの本選書で400ページもあるし、一気に読むと頭がおかしくなりそうなので、合間あいまに読んでいたのが次の本。

向田邦子の恋文 (新潮文庫)

向田邦子の恋文 (新潮文庫)

 才気あふれる女性は往々にして独身だが、向田さんには30代のころ愛したカメラマンがいた。しかし彼は妻子持ちで、しかも病人…そんな彼の日記と二人のラブレターが収められた一冊。

 向田さんは放送作家の仕事で多忙なのに、毎日のように彼の家を訪ねたり手紙を送ったり、時には電報を打ったりと、その熱い思いが伝わるよう。でも手紙の上ではケーキを五つ食べてのり茶漬けを食べておにぎりを三つ食べたら「案の定、けさは、オナカがしくしくして、少しピーです。さすがの鉄の胃もすこしやられました」と。そりゃそうだ。
 二人の関係は万人に認められたものではなく、手紙は微妙なバランスのなかでやりとりされていた。それを考えると、ユーモアと優しさあふれた向田節の裏側には「男の弱さ、強がり、に対する憎しみと許し」があるとは爆笑問題・太田の解説。

 淡々とした行動に潜めた激烈な感情。そんなオトナの恋愛まで、僕はあと100年くらいかかりそうだ…_| ̄|○