ウェブ進化論
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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インフラとしてテレビと同じように普及した「インターネット」、技術的なコストが次々に下がっていく「チープ革命」、自分の情報はみんなの情報という考え方「オープンソース」。この3つが社会をどのように変えていくのかについて言及した好著。
たとえばGoogleのような検索エンジンは、利用者である僕らから見ると「ほしい情報を検索するためのツール」でしかないが、逆に検索エンジンからすると「世界中の情報を集めてそれを分析・再構築」したり「世界中の人のほしがる情報を把握しそれを分析・再構築」する、いわば「情報の発電所」なのだ、という指摘は新鮮だった。
一方、旧来の情報発電所であった出版社やテレビ局、新聞など既存マスコミの役割は終わりつつあるという指摘もされている。この本を読んで危機感を持たない出版人は先がないと思う。
週刊誌の部数減少が止まらない。はっきりいって雑誌の部数増は今後どうあがいたってムリですよ。この流れは各ジャンルに及ぶだろうし、業界を下支えしている専門書だって大学がWeb専属の編集者と技術者を雇って、研究者の書いた原稿を整頓してWebに公開していけば、バカ高い研究書なんて必要がなくなってしまうだろう。いよいよ業界崩壊ですな。えーと、貯金はいくらあったかしら…