さそうあきら「神童」

 映画になるとのことで、あわてて読んでみた。(I am 泥縄サラリーマン!)

神童 (1) (Action comics)

神童 (1) (Action comics)

 「私は音楽だから!」と言い切る天才少女ピアニスト・成瀬うたと、八百屋の息子で音大浪人中の菊名和音が、それぞれ自分の新しい音楽を生み出していく物語。
 さそうさんは決して物語運びがうまいマンガ家ではないけど、うたが奏でるピアノ曲の表現がすごい。紙切れに美しい音楽がつまっている。クラシックなんてふだん聴かないのに、BGMになっている曲もほとんど知らないのに、メロディが伝わってくる不思議。
 そして生意気なんだけれども、演奏するときに凛とした美しさを見せる主人公のうたが愛らしい。ついでに時々暴走するうたのママも面白い。この画なので好き嫌いが分かれると思うけど、一度聴いてほしいマンガです。これだけ音にあふれる作品なのに、静かに終わるラストシーンが印象的。
 しかしうた役に成海璃子をあてるとは、映画会社も考えるものだなぁ…
http://www.bitters.co.jp/shindo-extra/