さよならにっぽん

 「田中宇のニュース解説」に、興味深い記事が載っていた。今後アメリカのパワーダウンが進むと予測し、その上で日本の外交方針を決めなければならないという。

 日本が核武装するとしたら、その場合の仮想敵は、中国やロシアであるが、いずれも国土が日本よりはるかに広大である。中国と日本が核戦争して互いに5発ずつの核ミサイルを相手に撃ち込んだ場合、中国は、首都圏に3発、関西に2発を落とせば、日本を国家として機能停止させられるが、日本が北京や上海などの主要都市に5発を落としても、無傷の大都市がいくつも残り、中国は国家として生き延びられる。
(略)
 そもそも、もし今後の日本がアメリカの覇権に頼れなくなるとしたら、日本人は、核武装に象徴される軍事の問題を考える前に、もっと根本的な、安全保障の外交問題について考えねばならない。

 軍事問題とは敵味方の問題であるが、自国にとってどの国がどのぐらいの敵ないし味方であるかを決めるのは、相手国との外交関係である。相手国との間に紛争があっても、外交的に上手に対処されれば、その国とは敵対せずにすむ。大した紛争でなくても、外交的な対応の仕方によっては戦争になりうる。つまり軍事とは、外交という土台の上に乗っているものであり、外交の問題を考えずに軍事だけを考えるのは意味がない。

 日本のまわりをぐるりと見回したとき、ロシア、中国、北朝鮮、韓国、台湾のうち、まともなコミュニケーションを取っている国はない。太平洋を挟んでアメリカだけかろうじて友好関係にあるが、今後アジアの覇者・中国と手を結ぶ可能性は高いと思う。
 近所のバカが嫌なら引っ越すことはできるけど、国は引っ越せないのだ。先の戦争における最大の問題は「国家の品格」にこだわるあまり、外交を軽んじたことだ。武士道をまもって孤高の道? 武士でもない連中が武士道を大切にしてどうするってんだ?
 その点純ちゃんは戦後史に残る日朝首脳会談で大成果をあげたり、なんちゃってプレスリーとして文化交流につくしたり、靖国に愛を捧げて中韓両国と熱いコミュニケーションを取ったり、国民として感謝に堪えない。もう横須賀に足を向けて寝られないね。純ちゃんのお墨付きをもらった餅も、たいそうご立派な外交をやってくれることでしょう。

 そんな餅がトップになるステキな国にいるのは勿体ないので、明日からニューヨークへ行ってきます。お元気で!