NY点景(5) セントラルパークの昼寝

  日曜昼下がりのセントラルパークは、やっぱり混んでいた。芝生の上には海岸でもないのに水着で体を焼いてる姉ちゃん、フリスビーで遊んでるいい大人、なにで揉めているのか騒いでるガキ。日曜昼下がりの新宿御苑とやってることがそう変わる訳ではない。

 だからいつものように芝生に転がる。雨が降った訳でもないのに背中に湿り気を感じる。
 5列の筋になった飛行機雲を、あれはどうやって作るんだろうとぼんやり眺めながら、太陽に暖められていると、東京にいるときの自分は力みすぎているな、と反省する。地下鉄に乗っていても、スーツを着たサラリーマンの姿は少なく、なにを仕事にしてるんだろうと不思議な人がたくさんいる。みんな適当にやっているが、それでも街は、平気だ。

 そして仲間のことを想う。何千キロも離れた場所にいる人の顔を思いだして、あれこれ考えるのは不思議なものだ。人生は無限ではないし、僕はすでにひとり友人を失っている。大切なあの人にあのことを伝えておかなければ。気持ちは焦るが、飛行機のチケットは明日である。あきらめて、まどろんだ。